HEARTS/Double Bside

HEARTS
Double

Singalong

2021,12,08
フィッシュマンズよ、永遠なれ!

「うわぁ〜フィッシュマンズ、なくなっちゃうの!?」
1999年3月、フィッシュマンズのボーカル佐藤さん急逝のニュースを耳にしたあと最初に思ったこと。
ほとんどの曲を佐藤さんが作っていたからということも、メンバーの脱退を繰り返し、
ずーっと危うい感じが続いてたこともそんなふうに感じた理由だったんだろうな。
と同時にライブへ行ったり、もしかしたらまたどこかでバッタリ会えたりするかもなぁなんていう淡い期待も、完全に消え去った瞬間でした。


近頃は、モデルのモトーラ世理奈ちゃんがカバーした [ いかれたBaby ] ( 演奏には元メンバーの柏原さんと茂木さんも参加。)が発売されたり、[ Night Cruising ] がアナログ盤で再発されたり、ちょいちょい耳にする機会が増え、懐かしさに浸ったりちょっとした幸福感を味わっていました。



そして2021年夏。
デビュー30周年がきっかけだったのかメンバーの茂木さん( 現、東京スカパラダイスオーケストラのドラム。)が
中心になって製作されたドキュメンタリー映画が公開になり、チリチリと燻ってた思いが爆発。
早速映画館へ出向き色んな思い出が溢れ出し、涙することとなったのです。

専門学校を卒業し、美容師としての第一歩を踏み出した最初のサロンで佐藤さんは先輩のお客様でした。
私の音楽好きを知っていたその先輩は、佐藤さんが来店されるたびに私を呼んでは仕事に入らせてくれていたのですが、緊張しいの私はなかなか調子のいい会話もできず、一生懸命にシャンプーするのがやっと。
その数少ないチャンスも、同期の女の子にスルッと持ってかれて悔しい思いをしてたなぁって、良いこともほろ苦いことも蘇りました(笑)



久しぶりの佐藤さんのはにかんだ笑顔や優しい話し方、あの当時のまんま私の中で色褪せず残ってたことに驚きと嬉しさでいっぱいになり、自然と笑顔になってました。
彼らの音楽は今聴いても古くさい感じが全くなくて、早すぎじゃない?実は時代が追いついてなかっただけじゃん!!ってスクリーンに向かって叫んでました。
勿論、心の中でですけど.....

 

別軸の世界がもし存在するなら...空想の世界は広がります。
穏やかで頑固、どこまでもストイックに音楽に向き合っていた才能に溢れる人。
ついつい考えてしまう、次の新曲はどんな感じかなぁ、早く聴きたいなぁ〜なんてね。

不定期ではありますがフィッシュマンズ、活動は今も続いています。



90年代初頭、フジテレビの深夜枠で放映されていたドラマ、「 90日間トテナム・パブ 」。
イギリスが舞台なうえに、現地撮影のドラマ。
リアルなロンドンの街並みを知ることができたので、楽しみで毎週欠かさず見てました。
この番組のオープニング曲がフィッシュマンズの  [ 100mmちょっとの ] 。
「 佐藤さん、とうとう有名になっちゃった! 」って思ってた。
( 劇中でも語られていますが、実際のところはそう簡単ではなかったようです。)

 

全く知らなかった人たち、ここきっかけにぜひ聴き始めてみて欲しいです!
映画もぜひ!!

田中 直美