一向に秋を感じる気配がないですが…
芸術の秋という事で…
今日は竹橋の東京国立近代美術館で開催されている
「トーマス・ルフ展」について書いてみたいと思います
トーマス・ルフ(1958-)は、ドイツを代表する
現代写真アーティスト
1977年から1985年の間、デュッセルドルフ美術アカデミーの写真学科にて、ベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻の元で
写真を学び、彼らから大きな影響を受けました
今回の展覧会で出展された作品群は全部で18シリーズ
シリーズごとに大きくテーマが異なり、どれも特徴的に表現されているので、見応えあり!
その中でも目を引くのが、
こちらの証明写真のようなポートレート
遠目から見ると普通の証明写真のようですが、実物大よりかなり巨大に引き伸されていて、近づいてみると証明写真以上の
情報が含まれています
巨大なスケールにあえて収めた事で、それが違和感として鮮明に現れている作品です
そしてもう一つは「jpeg」シリーズ
「デジタル画像の解体」をテーマにしており、ブロック状の
ノイズが独特のモザイク画のように見える作品です
ノイズはかなり大きく、遠くから観る印象と近くから観る印象が全く異なるとても面白いものでした
・
・
・
今回の展覧会で出展されている18シリーズのうち、
そのほとんどが、イメージする「写真」ではありませんでした
ルフの作品には必ずと言っていいほど“違和感”が潜んでいます
その違和感は、ルフがその時代の状況や技術にいち早く反応し、既成概念にとらわれずに写真表現のあり方を覆そうとしてきた結果なのかもしれません
皆さまも是非訪れてみて下さい*